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    マーケターには、人の心を動かす「感性」と、利益を生み出す「数字力」の両輪が求められます。

    「これ売れそうな気がする!」っという感覚。きっと、皆さんにもあるはずです。その「気がする」という直感を数値の裏付けを取って「確信に変える」のが、今の時代に求められるマーケターです。

    では、正反対に思える「感性」と「数字力」を、どう両立させるのか?

    そのカギを握るのが、「集客(マーケティング)」と「会計(お金)」の関連付けです。一見、まったくの別物に見えるこの2つ。実は、見えないところでつながっています。

    集客会計とは?

    泉徹

    マーケティングとお金の関係性を整理して、ビジュアルで理解できるようにしたのが、『集客会計』です。(「集客会計」は私が作った造語なので、ご存知なくてもまったく問題ありません)

    集客の流れをお金の視点で図解すると、自社のビジネス構造を可視化することができます。

    経営者はもちろん、ビジネスに関わる人にとって、集客と利益を生み出す仕組みを理解することは、とても重要です。ただ、専門知識がない方にとって、マーケティングや会計は、とっつきにくところがあります。

    • 感覚だけで集客してきたけど、なんか不安
    • 数字って見るだけで頭が痛くなる
    • 集客したけど、売上につながっているか手応えが感じられない

    そんな苦手意識がある人にこそ、「集客会計」が役立ちます。このあと紹介する図を使うことで、 利益を生み出す仕組みをビジュアルで理解することができるようになります。

    今まで、「なんとなく」や「勘」に頼っていた集客が確信を持って判断できるようになります。

    「集客構造化3表」と「集客財務3表」

    泉徹

    「集客会計」は、集客を2つの視点から分析していきます。ひとつは、集客の全体像を可視化する「集客構造化3表」。もう一つは、集客に対する投資効果、そして、顧客数を“資産”として捉える「集客財務3表」です。(こちらも私の作った造語です。下記の図に記載の名称も造語なので、初めて聞く方もご安心ください)

    いずれも、簡単に言うと、集客の通信簿のようなものと思ってください。

    多くの企業でマーケティングが機能しない最大の原因は、評価基準が曖昧なところにあります。適正に評価する基準がなければ集客効率を上げることはできません。だからこそ、まずは全体像を掴み、意思決定のための評価基準を数値化する必要があります。

    それでは、早速、集客の全体像を可視化する「集客構造化3表」から解説していきます。

    「集客構造化3表」は、以下の3つで構成されています。

    • 集客会計構造図
    • 業種別集客マトリクス
    • 集客ポートフォリオ

    これらの図表を使うことで、あなたの会社の集客活動をより戦略的に見直すことができるはずです。

    集客の全体像を可視化する「集客会計構造図」

    泉徹

    集客会計構造図」は、“集客にかけた費用”と“集客から得られた成果”
    を、ひと目で把握できるように図化したものです。「集客会計」のメインになる図です。

    図の左側に、広告費と、どのような媒体に出稿したかを書き、右側には、その結果として得られた売上高、そして、売上を構成する顧客のステータスを記載します。

    つまり、「どの集客手法に、いくら使い、どんな結果が出たのか?」が、ひと目でわかるように作られています。広告とは突き詰めれば、「何にお金を使い、どれだけのリターンが得られたか」という投資活動です。

    集客会計構造図

    クリック単価やコンバージョン単価など、部分部分の実績数字は押さえていても、全体の“広告費用の構成比や割合”を把握している人は、意外と少ないのが現実です。

    だからこそ、全体の投資対効果をひとめでわかるようにすることが重要なのです。この集客会計構造図があれば、現在の集客状況を客観的に評価できるようになります。

    使うべき広告媒体が自然と決まる「業種別集客マトリクス」

    泉徹

    効果的な広告媒体は業種でほぼ決まります。そのため、効果がある媒体にはライバル企業が集中することになります。

    しかし、それは悪いことではありません。なぜなら、「出稿企業が多い=選択肢が多い媒体」と思われ、お客様が集まってくるからです。

    競合企業がいない新しい媒体を探すより、素直にライバルが多く掲載している媒体を選ぶことが、成功への近道です。

    「業種別集客マトリクス」は、業界毎にどの媒体が効果的かを一覧にしたものです。

    縦軸に購買までの時間の長短、横軸にターゲットが法人か個人かの2軸で4分割し、それぞれに向いている業種と効果的な広告媒体をマッピングしています。

    業種毎に効果的な集客媒体がわかるはずです。

    安定的な広告効果を得るには、複数の媒体を組み合わせる「メディアミック戦略」が必須です。「業種別集客マトリクス」と次に紹介する「集客ポートフォリオ」を使って、効果的な媒体の組み合わせを考えていきます。

    分散集客 vs. 集中集客 「集客ポートフォリオ」

    泉徹

    集客の安定性は「集客ポートフォリオ」の組み方で決まります。

    集客媒体には流行り廃りがあります。パフォーマンスが良い時もあれば、悪い時もあります。また、媒体によって、リスクは高いがリターンが大きい媒体、リスクは低いがリターンも少ない媒体など、それぞれの効果が異なります。集客数を求めて、ひとつの媒体に予算を集中させる企業がありますが、頼りにしている媒体の効果が落ちた時、全体の集客が激減するリスクを抱えることになります。

    そこで重要になるのが、「分散広告」です。複数の媒体を使うことでリスクを分散させることができます。

    投資の世界でも、特定の金融商品に集中するとリスクが高まるため、株式や債券、投資信託など、値動きの異なる商品に分散投資することでリスクを軽減しています。集客も同じことします。

    「集客ポートフォリオ」は、横軸に「リスク」の高低、縦軸に「リターン」の高低をあらわした表に、広告媒体をプロットしたものです。

    媒体によって、リスクやリターンは異なります。また、費用やスタッフへの負担も異なります。自社の集客方針に合わせて最適なバランスを組むことがポイントです。

    単一媒体への依存は大きなリスクです。分散することで安定的な集客を得ることができます。

    マーケティング活動を定量的に分析「集客財務3表」

    泉徹

    「集客財務3表」は、集客にかけたコストがどれだけ成果につながっているのか、そして、“資産”としての顧客が、どのくらい蓄積されているかを図表を使ってビジュアル化します。

    会計の財務3表(PL・BS・キャッシュフロー計算書)になぞり、マーケティング活動を定量的に分析し、改善するために活用します。

    このフレームワークは、次の3つの図表で構成されています。

    • 集客PL:集客によって生まれた売上と、それを構成する顧客のステータスを図化したもの
    • 集客BS:広告費をどの媒体にどれだけ投下したかを図化したもの
    • 集客フロー表:どの集客チャネルが、どの顧客ステータスにアプローチしているかを図化したもの

    この3表を使えば、「どこに投資し、どんな顧客をどれだけ集めているのか?」を、ビジュアルで理解できるようになります。

    また、複数の媒体で集客を行っていると、どの施策がどの顧客層に届いているのかが見えにくくなります。集客財務3表を使えば、それぞれの媒体の役割と成果が、一枚の絵で確認できるようになります。集客の流れや全体像を俯瞰できるようになります。

    さらに、広告宣伝をチームで運営していると、業務が分業化されて、チーム内での貢献が見えづらくなることがあります。そんな課題に対しても、この3表は効果的です。チーム内の認識を揃えるコミュニケーションツールとしても活用できます。

    マーケティング活動の見える化を進めたい方にとって、非常に頼りになるツールです。それでは、まずはじめに集客PLから説明していきます。

    売上と顧客の関係を見える化「集客PL」

    泉徹

    集客PLは、売上と、それを支えている顧客のステータス(リスト客・新規客・既存客・休眠客など)を図化したものです。「どの顧客層が、どれくらい売上に貢献しているのか?」が、一目でわかるようになり、戦略を立てる上での土台になります。

    売上は基本的に「新規客」と「既存客」で成り立っています。そして、この2つは、それぞれに異なるアプローチが必要です。

    新規客には2種類ある

    ひと口に“新規客”といっても、2のパターンがあります。

    • 直接新規:広告などから直接流入してくる、まっさらな新規客(例:チラシ、TVCM、リスティング広告、SNS広告などから直接流入する新規客)
    • 育成新規:事前に接点があり、継続的な接触によって購入に至る新規客(例:DM、メルマガ、SNSフォロワー、LINE登録者などから購入に結び付く新規客)

    この2つは、使う媒体もコミュニケーションの設計もまったく異なります。

    育成新規は集客コストが低く、契約率が高い傾向にあります。広告費をかけずに売上を上げるためには「リスト客」へ継続的なアプローチをすることによって、育成新規客に育てる仕組みが必要です。

    既存客・休眠客へのアプローチも売上のカギ

    既存客との関係性を深めることはとても重要です。例えば、ダイレクトメール、店舗体験、購入後のフォローなどが代表的なアプローチです。これらのアプローチをおろそかにすると、せっかく獲得した新規客が“1回きり”で終わってしまうことになります。

    また、来店から足が遠のいている休眠客に対しては、再来店を促すようなキャンペーンやイベント、限定オファーなどを企画することが重要です。

    このように集客PLは、「売上はどの顧客層から生み出されているのか?」「どのステータスの顧客に、どんなアプローチが必要なのか?」を俯瞰して見ることができます。集客PLを見ながら施策の優先順位をつけたり、チーム内で戦略を共有する際にも役立つ、実践的なツールです。

    メディア別の広告費を見える化「集客BS」

    泉徹

    「集客BS」とは、全体の広告費とその使い道を一覧にしたものです。まず広告費を下記の3つのメディアに分類し、投下した費用を可視化していきます。

    集客BS
    • ペイドメディア:ペイドメディアは、企業が費用を支払って掲載する広告メディアを指します。
    • アーンドメディア:アーンドメディアは、報道機関やメディアに取り上げてもらうことを指します。
    • オウンドメディア:オウンドメディアは、自社が所有し運用する情報発信媒体のことを指します。

    それぞれのメディア毎にかかる費用やスタッフへの負担が異なります。集客BSを俯瞰して見ることで「どのメディアに力を入れているか」または、「どのメディアに力を入れるべき」が一目でわかるようになります。

    例えば、ペイドメディアに偏り過ぎると、広告費を削減したとたんに集客が激減するリスクを抱えることになります。そうならないために、オウンドメディアやアーンドメディアを育て、ペイド広告に頼らない集客の仕組みをつくる必要があります。

    可視化することで、広告のバランスをチェックすることができます。

    複雑な集客戦略を一枚の図で理解「集客フロー図」

    泉徹

    「集客PL」は、売上と顧客ステータスを可視化した図です。一方、「集客BS」は、広告費と投下したメディアを視覚的に整理したものです。この2つを統合して、どの媒体が、どの顧客ステータスに向けてアプローチしているかを図化したものが「集客フロー図」です。

    例えば、「メルマガは、リスト客を“新規客”にランクアップさせるために送っている」、「Google広告は、新しいリスト客を獲得するために、“見込み客”が検索しそうなキーワードで表示している」といった意図を、図にしてビジュアル化します。

    バラバラだった集客戦略が、一枚の図でパッと理解できる。そんな便利な“地図”が、この集客フロー図です。

    さあ、「集客会計」をはじめてみましょう!

    • なんとなく広告を出しているけど、本当に効果があるのかわからない
    • SNS広告にどれだけ予算をかけるべきか判断に迷う
    • 今までの広告をこのまま続けていっていいのか不安

    そんな声に応えるのが、集客会計という新しい考え方です。

    集客会計とは、集客の流れを“お金の視点”で図解し、自社のビジネス構造を見える化する手法です。マーケティングの専門知識がなくても、戦略的に集客全体を見直すことができる仕組みです。

    感覚に頼っていた媒体選びから脱却するためにも、ぜひ、「集客会計」に取り組んでください。きっと、これまで見えなかった集客の“全体像”が明確になるはずです。

    「集客会計」にご興味を持ってくださった方へ

    集客会計は、マーケティングや会計の専門知識がなくても取り組めるシンプルな仕組みです。難しい言葉や複雑な理論は必要ありません。必要なのは、あなたのビジネスをもっと良くしたいという想いだけ。

    このサイトでは、「集客会計」を実践するための具体的なステップや、考え方のコツをわかりやすく解説しています。

    もし、少しでもご興味を持っていただけたなら、ぜひ他のページも覗いてみてください。
    きっと、あなたの集客に役立つヒントが見つかるはずです。